困ったときのヒント「いろいろ」
貸金業法改正の影響
A さんから「最近カード会社から所得証明書の提出の要請がきているけど、どうゆうことですか」という問い合わせを受けました。
これは4 年前の2006 年に貸金業法が改正されて、年収の3 分の1 を超える貸付が2010 年6 月以降、原則禁止されるためです。この改正は多重債務を防ぐために借入金の総量を規制するためのもので、金融機関は貸付の際、自社からの借入金残高が50 万円超、もしくは総借入金残高が100 万円超となる貸し付けを行う場合には、年収等の調査を義務づけられます。調査の結果、返済能力に問題があると判断された場合、もしくは総借入金残高が年収の3 分の1 を超える場合、貸し付けは原則的に禁止されることになります。
ただし、この規制には「除外」および「例外」が定められており、①不動産購入のための貸付け、②自動車購入時の自動車担保貸付けなどは、「除外」され貸付残高には含まれません。また、「例外」は、貸付残高として算入するものの、例外的に年収の3 分の1 を超えた場合でも、その部分について返済の能力があるかを判断したうえで、貸付けができるもので、①有価証券担保貸付け、②不動産担保貸付け、③売却予定不動産の売却代金により返済できる貸付け、④顧客に一方的有利となる借換え、⑤緊急の医療費の貸付け、⑥配偶者と併せた収入の3 分の1 以下の貸付け、⑦個人事業主に対する貸付け、などが該当します。
Aさんには、現在借入金の総額としても3分の1 以内なので心配する必要はないこと、事業者なので今後借入が増えた場合も返済能力の範囲内であれば問題ないことを伝えました。
今後金融機関が総量規制を「融資を断わる」理由にするなど、トラブルが生ずる可能性もあります。その際は消費者センターや金融庁の関係機関まで相談しましょう。
(2010年5月)
PCのウイルス感染に気をつけよう
印刷業のA さんがあわてて「パソコンがウイルスに感染したみたいなので助けてほしい」と駆け込んできました。パソコンが不調になった状況をよく聞いてみると、どうやらお客から渡された原稿が入ったUSB メモリーが原因の様です。そのUSBメモリーとパソコンを事務局まで持ってきてもらうことにしました。
パソコンへのウイルス感染の原因にはメール、ホームページ閲覧、USB メモリーなどメデイア経由があります。かつてはメールの添付ファイルを介しての感染が圧倒的でしたが、ここ数年感染源は分散傾向にあります。昨年末から大流行しているガンプラー( ウイルス名) は、ホームページの閲覧をつうじて感染、大企業のホームページが感染源になり大問題になりました。また、ここ数年増え続けているのがUSBワーム( ウイルス名: 総称) でUSB メモリーを介して感染します。被害の大部分は業務で頻繁にUSB メモリーをやり取りする企業のパソコンです。
A さんが持ってきたメモリーをウイルスソフトで駆除。パソコンの方は、ウイルスが特定できたため、そのワクチンソフトをウイルスソフト作成会社のホームページからダウンロードして対処しました。
パソコンを業務で使用する上で、セキュリティーの確保は絶対です。万が一取引相手にウイルスを感染させたり、顧客情報などが漏洩すれば、信用を大きく傷つけることになります。対策の基本は、1.アップデート(更新)をおこないOS をいつも最新の状態にする、2.ウイルス対策ソフトを必ず入れる、3.パスワードを必ず設定する、4.不審なホームページは見ない、5.不審なメールに注意する、ですが、それに加えて業務で使うのであれば、常にデータのバックアップをおこなうこと、USBなどチェック用のパソコンをLANから切り離した状態で用意することが必要です。
トラブル急増のFX(外国為替証拠金)取引
先日Aさんが「FX取引で大損した」と青い顔をして事務局を訪ねてきました。よく聞くと「自分では高金利の預金のつもりで預けたお金300万円が半分になった」というものです。FX(外国為替証拠金)取引とは、取扱い業者に一定の保証金(証拠金)を預けて信用を供与してもらい、保証金の数倍から数十倍の多額な外貨取引をおこなうものです。大きな利益が期待できる半面、相場が予想に反した場合、その分損失も大きくなります。
Aさんは業者から「外貨建て預金のようなもの」という勧誘で、「最初は担当者の言うままに通貨取引をして数ヶ月で30万円儲かった」そうで、追加でお金を300万円まで増やしたものの、取引通貨の急変動であっというまに元本を大幅に割り込み、その取引を終了させるか、追証(追加証拠金)を新たに預けて取引を続けるかを業者に迫られたそうです。
外貨建て預金は為替による損はあるものの、元本がなくなることはありません。しかしFX取引の場合は、為替損益の数倍から数十倍もの変動があるハイリスクな金融商品です。例えば、1ドル100円のとき、100万円の取引証拠金を差し入れると最大10万ドル分の買付けが可能だとします。1ドル100円で買い120円の円安のときに売却すると、1000万円が1200万円となり、100万円の証拠金で200万円の利益が生まれます。一方1ドル100円で買い80円のときに売却すると、1000万円が800万円となり、100万円の証拠金で200万円の損失が生まれます。つまり元本割れどころかマイナスになってしまします。
Aさんには「為替取引は高度の知識が必要」なので、取引をつづけると損失がふくらむ可能性が大きく、取引をすぐ手じまいし、やめるように話しました。
借金を残された家族の困難
先日、突然死した会員が残したサラ金の借金について遺族から相談を受けました。サラ金3社に300万ほど。奥さんは、一家の大黒柱を失った悲しみと借金、そして生活苦からパニック状況となりっていました。
夫名義の持ち家があるために相続放棄することはできません。しかも、自宅はサラ金に担保として抑えられて。返済をしていくのにも高齢の義母、障害を持つ子供を抱え、奥さんには、パート収入しかありません。
依頼者が自分の力で生活再建をおこなっていくのを相談支援してくれるNPO団体を、紹介しました。同じような多重債務を抱えている人たち同士そこは、励ましあいながら、解決するろころで、サラ金については解決の見通しを持てるようになりました。
今回の場合、夫がサラ金のお金を何に使用したのか家族に言わないでいました。すぐ破綻状態になり妻が心配して尋ねると「お前は心配せんでもええ」という返答のみ。誰にも相談できないで1人で悶々と悩んでいたのです。生きているうちに家族に相談していたら「膨らんだ借金」でなく違った解決方法もあったように思います。
キャッシュカード、クレジットカードが氾濫している昨今、全国で年20万超えると言われる自己破産者が後を絶ちません。
サラ金は人ごとではなく身近な問題です。クレジット、サラ金の被害にあったら、迷うよりまず気軽に相談ください。相談することが解決への一歩です。
法律扶助制度について
生活保護受給者、母子家庭児童扶養手当の受給者以外の方でも基準に該当すれば、法律扶助制度を利用できます。
経済的な理由により自分で費用が負担できないことが条件です。賞与も含んだ月収(手取り)の目安は次のとおりになります。
■単身者 :200,000円以下
■2人家族:276,000円以下
■3人家族:299,000円以下
■4人家族:328,000円以下
※大都市の通常の資力基準参照
これを上回る場合でも、家賃、住宅ローン、医療費等の出費がある場合は考慮され、裁判における和解、調停、示談により解決の見込みのあるもの。自己破産では免責の見込みのあるものが含まれます。
こういった条件を満たした上で法律扶助協会に扶助制度の申請を行い、審査を受けます。決定されますと必要な費用が立て替えられ、法律扶助の決定された翌月から毎月割賦で返済することになります。
ただし、この制度の利用は弁護士との充分な相談(収入・資産、生活の状況等を考慮)の上で行われます。
詳細については事務所までご連絡下さい。
住宅を購入したときの「お尋ね」とは
Q.住宅を購入しましたが、税務署から「新築、買い入れまたは賃貸された家屋等についてのお尋ね」という文書がきました。どのように対処したらいいでしょうか?
A.土地や建物を譲渡したり購入したときは、ほとんどの場合に税務署から「お尋ね」という文書が郵送されてきます。
内容は、購入の場合だと、購入不動産の広さ、構造、持分、所得金額、所得年月日、資金の調達方法などとなっており、資金の調達方法は、預貯金(預入先、預金名義人)からいくら、資産の売却代金(売却内容)からいくらと、細かく具体的に記入するようになっています。
「お尋ね」文書は、法律で規定されたものではなく、提出はあくまで任意ですが、購入資金の出所が調査のポイントのようです。例えば購入者の所得水準、年齢などからみて、購入した不動産が高額であり過ぎるなど、不自然な点はないかチェックし、親族間での贈与が行われていないかなどを確認するところにあるようです。
また譲渡所得の確定申告のときなどには、「お尋ね」の回答文書をもとに事実関係をチェックされますから、十分に答えられるよう、ハッキリした内容の回答を書き(自信ある内容が書けるとき)、指定された期日までに提出したほうがよいでしょう。
建築登録で気をつけること
建設業の許可についてはいくつか注意すべき点がありますが、特に気をつけたいのは、更新の手続きです。許可の有効期間は許可のあった日から5年です。期間が満了する30日前までに更新の手続きをとらなければ、無効になってしまいます。無効になった場合には新規の申請となりますので、更新の手続きであれば省略できた書類をすべて添付しなければならなくなりますし、場合によっては、以前許可を得ていても認められなくなることもあります。
書類については数多くありますが、特に専任技術者(代表以外の場合)については、国家資格や実務経験の有無等証明の他、住民票・健康保険証もしくは雇用保険・賃金台帳の確認(いずれも原本)もされますので、事前に用意しておかれた方がよいでしょう。
また、工事経歴や施工金額等についての資料は、少なくとも過去5年間程度の分は保管しておいて下さい。原本の提示を求められることがあります。
申請の際には、貸借対照表、揖益計算書も添付しますが、完成工事原価(材料費、労務費、外注費、経費)については、できるだけ詳細に把握し、特に請け負った工事の多くを下請けに出している場合には、外注費と労務費は明確に区別しておいてください。
経営事項の審査を受けられる方は、税抜き方式の決算で審査を行いますので決算書は税抜きのものを用意しておかれたほうがよいでしょう。
また、許可を得てから今まで変更の届出をされていない場合には、更新手続きの前に変更の届出(名称、所在地、代表者、役員、技術者など)をしなければなりませんので申請前にご確認を。
以上、簡単に注意すべき点を述べてきましたが、現在、許可の申請窓口は大変混雑しており、不備な点があると必要以上に期間を要してしまいますので、これから申請される方は、必要書類をもれなく準備して、また、現在許可を受けておられる方は今一度、お手元の許可通知をご確認の上、更新の手続きを早めにすませるようにしましょう。
「必ずもうかる」には気をつけて
会員さんから「娘が妙な商売に引っかかったみたいで心配」という相談を受けました。よく聞くと健康器具の販売で、自分が会員をふやすとマージンがもらえるというもので、いわゆる「マルチ商法」でした。娘さんはインターネット上のホームページで「ネットワークビジネスで大もうけ」という話を見て資料を請求、さっそく加入。その後何回か説明会に行き、「必ず儲かる」「仲間ができて楽しい」などとすすめられ、50万円以上する健康器具を購入しました。
「マルチ商法」とは、販売組織の加入者が他の人を加入させ、さらにその人に別の人を加入させることを次々に行なうことによって組織をピラミッド式に拡大していく商法をいいます。加入者の大部分は、商取引の経験が乏しい主婦や青年層が多く、常識はずれの高額な商品を抱えたり、不必要な商品を大量に購入させられるなどの問題が生じた事例が多くみうけられます。このような販売方法そのものが禁止されているわけではありませんが、「特定商取引に関する法律」による「連鎖販売取引」として厳しく規制され、広告規制、契約書面の交付義務、クーリングオフ制度等が設けられています。
会員の娘さんの場合は、クーリングオフの20日間を過ぎていましたが、契約の前後におこなう法廷書面の提示が電子メールでおこなわれており、無効であることが判明。娘さんを説得し、契約無効の申し立てをして、商品を返送、無事解約できました。
民事再生と少額債権
Aさんから「得意先がつぶれた」という相談をうけました。よく聞くと倒産ではなく民事再生を申し立てたことがわかりました。Aさんは申し立て日以前に150万円の取引があり、申し立て日以降も「必ず払うから」と取引継続を要請されているとのことでした。
民事再生の債権は再生債権と共益債権に分類されます。(1)申し立て前に発生した債権は再生債権となり、再生手続きによらなければ、弁済を受けることができません。ただ中小企業等の少額債権については、裁判所の許可があれば手続き外で支払われることがあります。(2)申し立てから開始決定までに発生した債権は、原則として再生債権となります。ただし、その取引が債務者の事業継続に必要不可欠だと、裁判所等が承認すれば、共益債権として手続き外で随時弁済を受けることができます。(3)開始決定後に発生した債権は共益債権となり、再生債権とは別に扱い、随時他の債権に先立って弁済を受けられることとなります。
事務局ではAさんとともに取引先と再生手続きを行なう弁護士の双方と交渉。150万円のうち100万円程度は少額債権として裁判所の弁済許可を受けるよう努力する、申請日以降は共益債権として週1回現金払いで取引するという確約を得ました。
パソコン導入「成功」のひけつ
A事業所は家族を含め従業員4名、税金は青色申告です。以前から「帳面をちゃんとしたい」という要望があり、事務局でも申告前には記帳指導をおこなってきました。
しかし、「なかなか日常的に帳面をつけるのが難しい」とあきらめ、申告前に1週間徹夜で仕上げていました。昨年2代目が経営を担うことになり、「なんとしても経営を合理化して、厳しい環境に対応したい」という相談がありました。
事務局ではパソコンと会計ソフトの導入を提案。予算に応じた機種と、機能よりも使いやすいソフトを選びました。
次にパソコンを使った記帳の流れを、「振替伝票を書くは必要なく、請求書や領収書、通帳から直接入力する」「パソコン会計は基本的に検算は必要なく、手でやる場合の半分以下の時間でやれます」などと説明。A事業所の場合は、原始記帳(領収書等)の整理が出来ていれば2週間に1回程度、2時間ほどパソコンの前に座れば大丈夫ということになりました。
半年程度の事務局との打ち合わせを経て、A事業所では毎月の試算表を作り、利益の推移や資金繰りの状況をかなり正確につかめるようになりました。現在、在庫管理も表計算ソフトを利用して手がけています。
A事業所がパソコンの導入に成功した要因は、(1)経営者の目的意識がはっきりしていたこと、(2)原始記録の整理がされていたこと、(3)誰が記帳をするかが明確だったことなどです。なかでもやるべきことを1つか2つにしぼり、それが完成してから別の課題を取り組むようにしたことです。
保証金未返済に「小額訴訟」で対抗
Sさんは、この度住宅を購入するとこになり、7年ほど住んだ貸しマンションを出ることになりました。当然のことながら賃貸契約時に支払った保証金のうち、返還されるべき金額(8割分)を口頭で請求したところ、しばらくたってから手紙が送られてきました。
それを見ると、修繕費の請求書とともに返還する金額が書かれており、当初金額60万円から修繕費28万円余りが引かれていました。修繕項目も、畳替え、クロス・床の張替え等、入居者の入れ換え時に行う内容のものでした。
Sさんと相談の上、全額返還を求める「内容証明郵便」を送付することにしました。賃借人の責に帰する著しい損耗はないこと、家賃には通常の修繕費が含まれていること、契約書上さしたる特約もないので返還義務があることを述べ、ただちに返還せよと迫りました。
その後、一方的に修繕費を差し引いて振り込んできたので、法的手段に訴えることにしました。弁護士に頼むと費用がかかるので、「小額訴訟」でのぞむことにしました。「小額訴訟」とは、敷金返還、飲食代、貸金など30万円以下の金銭支払いを求める訴訟で、素人の市民でも提訴できます。簡易裁判所で1回限りの審理となりますので、今、Sさんと資料などをそろえ準備しているところです。
自己破産する前に!
Kさんは、ここ数年の売上の減少で、保証協会、国金、サラ金などの借金の返済に行き詰まりました。何とかしたいと裁判所を訪れ特定調停(サラ金などからの借入れ額を利息制限法で計算し直し、業者との話し合いで支払可能な方法で返済していく)の手続きをとりました。
しかし、公的機関からの借入も多く、サラ金だけでなく借金全体の見直しをすすめられたので、その後、個人の民事再生手続き(債務総額が3千万円以内で債務者に収入がある場合、支払い可能な額を一定期間返済すれば、残額は免除される)が有効と考えました。そして全体の債務の額を正確に算出、返済可能な再生計画をたてて、裁判所の認可を得ることができ、何とか返済を続けて破産を免れることができました。仕事も生活も以前のままです。
借金を免れたいからといって破産をすれば当然保証人にも迷惑がかかり、自分自身にも一定のペナルティがついてしまいます。このケースのようにあきらめずに行動すれば何とかなる場合もあります。自己破産する前にもう一度だけ考え直してみてください。













