困ったときのヒント「税金」
- 妻名義の不動産、負担付き贈与で
- 親からの住宅資金はいくらまで税金がかからない
- 確定申告・株取引で損失が発生したら
- 自己破産、税金は免除されないのか
- NPO法人と税金
- 離婚の財産分与と税金
- 所得税、更正の請求とは
- 死亡保険金と税金
- 10万円以下でも所得税の医療費控除
- 給与と外注費
- 使用貸借による土地の借り受け
- 離婚による財産分与に税金はかかりますか?
- 自宅を売却して損失がでたとき
- 住宅の売却にともなう3000万円特別控除
- 住宅ローン控除
- 贈与税
- 相続税のしくみ
- 使用貸借による土地の借り受け
- 税が軽くなる親から子への住宅資金贈与
- この借金を親が弁済した場合
- 生命保険金を受け取ったときの税金は
- 親子間でお金の貸し借り
- 共働きの夫婦が住宅を購入したときは
- 個人事業税―不動産貸付業の場合は?
妻名義の不動産、負担付き贈与で
Sさんの長男が離婚の危機に陥ってしまいましたが、一つの難題がありました。若い時不動産を取得しましたが、長男は収入不足で住宅ローンが借りられず、妻の名義で買うことになりました。実際の返済は、以後、長男が毎月返済し、十数年払ってきました。
今回の離婚協議では、妻が不動産の権利を放棄すると合意し、長男の名前に切り替えることにしました。しかし、妻の名義から長男の名義にする登記について、売買か贈与かと言うことになりますが、売買にするには新たにローンを組まなければなりません。何かと費用と手間がかさみます。贈与にすれば贈与税がかかりますが、ここで、妻名義の不動産と債務をともに長男のものにする「負担付き贈与」という手段があります。負担付き贈与とは、債務の弁済を条件とした財産の贈与で、財産の価格から債務の額を控除した価格に贈与税が課されます。幸いに、不動産価格の値下がりで債務の方が多く残り、課税は回避できます。
この場合の注意点は次の通りです。1.不動産の評価は、相続税の評価額ではなく、実際の取引価額(時価)となります。2.贈与した側(妻)は、負担の価額(債務の額)により譲渡があったものとして譲渡所得の申告が必要です。ただし、居住用の財産ですので特別控除によって税金はかかりません。
(2010年9月)
親からの住宅資金はいくらまで税金がかからない
Aさんは母親といっしょに住むために、現在の家からバリヤフリーを考慮した建て替えを検討中。将来のことを考えできるだけローンは少なくしたいとのこと。母親からの資金援助も得られそうなので、「どの程度まで税金がかからないのか」と事務局まで相談にみえました。
平成22年の税制改正によって、直系尊属(親、祖父母)からの住宅資金の贈与に対する非課税措置が大幅に拡大されました。通常暦年課税の贈与税の基礎控除は110万円。平成22年は特例措置として1500万円、平成23年は1000万円が基礎控除にプラスされます。また、相続時精算課税制度を選択する場合は特例措置1500万円もしくは1000万円に相続時精算課税の特別控除2500万円がプラスされます。
ただし、贈与を受ける者の合計所得が2000万円以下であること、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること、贈与を受けた翌年の3月15日までに新築もしくは取得することが条件です。
Aさんの場合、親から見込める贈与の額は1000万円ですので非課税の範囲に収まります。工事予定が来年で費用が約3300万円、自己資金約1500万円と親からの贈与1000万円でローンは1000 万円以下ですみそうです。(2010年10月現在)
確定申告・株取引で損失が発生したら
最近の投資ブームでインターネットで株の取引をする人が増えています。そうした方の大部分は「特定口座」「源泉徴収あり」を選択されていて、確定申告の必要性もなく、税金も天引きされています。株の売却益がある場合はその方が手間もかからず簡単でよいのですが、売却損が発生した場合は、そのままほうっておくと「損をする」ことになります。
他の所得と差引はできません。
上場株の売却により「譲渡損失」が発生した場合、他の証券会社の「一般口座」「特定口座」など、ほかに上場株の譲渡による利益があれば確定申告をおこなうことによってそれから差し引くことができます。しかし、事業所得や給与所得などそれ以外の所得から控除(損益通算)することはできません。ただ、平成21 年分以降については、上場株の配当所得の金額から控除することができます。
3年間の繰り越し控除がうけられます。
また、「譲渡損失」のうち控除しきれない金額は、翌年以降3年間繰り越しして控除できます。つまり損失を翌年以降の売却益と相殺することができるのです。手続きは、1.確定申告書に「譲渡損失の計算に関する明細書及び譲渡所得の計算に関する明細書」を添付する、2.その後連続して確定申告すること、3.繰り越し控除をうける年の確定申告書に「譲渡損失の計算に関する明細書」を添付します。(2009年2月現在)
自己破産、税金は免除されないのか
Aさんは、借入金も多く、おまけに過去にバブル期の遺産相続で多額の相続税が課されました。毎月の返済は膨大な額で、この十数年必死で返済してきました。しかし、仕事が中国に流れることになり、もはや事業の存続は不可能と判断し、自己破産の申請を行うことになりました。
借入金や営業債権は申請が認められれば、財産を換価してのち全て免責となり再出発が可能となりますが、財産額を上回る税金債権があれば免責されず残ってしまうことになります。Aさんは遅れながらも真面目に税金を納付して、家一軒分ぐらいの遅延税を払ってきました。自己破産してもまだ税金を払い続けなければならいのか、不安な面持ちで相談に来ました。
遅れながら税金を納付しているということは「滞納処分中」ということです。国税徴収法第153条では、滞納処分の停止という措置が規定されています。財産がなく資力に乏しい場合は、税務署長の職権で滞納処分の停止を行います。(納税者の申請ではない)
処分が取り消されないで停止期間が3年を超えることになれば、国税の消滅時効により納付義務は当然に消滅することになります。そこで自己破産申請の後、税務署に行き滞納処分の停止を申し立てる予定です。
NPO法人と税金
Aさんは事業のかたわら、福祉関係のNPO法人を立ち上げようと準備中です。「税金はどうなるのか」疑問に思い、事務局に相談がありました。
NPO法人も法人である以上「法人税法上の収益事業」にあたる場合は課税の対象になります。法人税法上の収益事業とは、以下の33種類の事業を継続して営むことをいいます。
(1)物品販売業 (2)不動産販売業 (3)金銭貸付業 (4)物品貸付業 (5)不動産貸付業 (6)製造業 (7)通信業 (8)運送業 (9)倉庫業 (10)請負業 (11)印刷業 (12)出版業 (13)写真業 (14)席貸業 (15)旅館業 (16)料理飲食業 (17)周旋業 (18)代理業 (19)仲立業 (20)問屋業 (21)鉱業 (22)土石採取業 (23)浴場業 (24)理容業 (25)美容業 (26)興行業 (27)遊技所業 (28)遊覧所業 (29)医療保険業 (30)技芸・学力教授業 (31)駐車場業 (32)信用保証業 (33)無体財産権の提供業
この33種類の事業は、その事業がNPO法人の目的(定款掲載)を達成するための本来の事業であるか、本来の目的の事業の費用に充てるために付随的に行う収益事業であるかは関係ありません。
以上のような収益事業をともなわない場合も、法人地方税の均等割が課税されます。Aさんの場合はこれに該当するようですが、市町村・都道府県によっては条例による減免措置があります。ちなみに大阪府、大阪市は4月に届けを出せば均等割りが免除されます。
離婚の財産分与と税金
Aさんは離婚を決意し、奥さんに自分名義の自宅を渡すつもりだが、その税金が気になり事務局に相談に来ました。
離婚した場合、その夫婦の一方は、相手方に対して財産の分与を請求できる事が民法に規定されてます。財産分与は、相手への慰謝料や婚姻中に夫婦の協力によって得た財産の生産などが目的です。
まず、財産の分与を受けた人については、財産の所得事由が共有財産の清算(分与)であり、無償の贈与によって所得したわけではありませんから、過大なものでなければ課税されることはありません。
次に、財産分与をした人は、分与した財産が現金等であれば課税されません。しかし、分与した財産が土地建物等である場合は、時価によってその資産を譲渡したものとみなされ譲渡所得の課税がなされます。課税理由は、譲渡によって分与義務の消滅という経済的利益が得られたとされるためです。
居住用財産であれば特別控除3000万円や軽減税率の適用を受けることができますが、用件が親族以外への譲渡となっていますので、離婚して親族ではなくなった後に財産分与として不動産を渡す必要があります。
Aさんには財産分与する不動産の時価から計算して、離婚前の分与であればかなりの税金が課税されるが、離婚後の分与であれば税金がかからない、という説明をおこないました。
所得税、更正の請求とは
友人が返済不能になったため、保証人だったAさんは自分の不動産を売却して弁済に充てました。不動産の売却代金は一銭も手元に残りませんでしたが、税務署より譲渡所 得の申告書が送られ、「友人への求償権(請求できる権利)がある」という税務署の説明で申告・納税しました。その後1年あまりして友人は自己破産。Aさんは「どうしたらよいのか」 と事務所を訪問しました。
Aさんの場合は友人が破産した日の翌日から2ヶ月以内であれば、「更正の請求」をおこなうことができ、昨年納税した税金を減額することが可能です。Aさんは事務局と相談して 税務署に所得税の更正の請求を提出しました。
また、計算違いなどで税金を過大に申告した場合は、確定申告から1年以内であれば、更正の請求が認められています。
死亡保険金と税金
Aさんのところへ税務署から呼び出しのハガキが送られてきました。Aさんが無視していると、今年は税務署員から電話があり、「昨年受け取った生命保険について、課税させるので署に来るように」ということでした。Aさんが税務署に行くと「一時所得です。税金は120万円。修正申告を出して下さい」といわれました。
驚いたAさんは事務局に相談。亡くなったのはAさんの母親で数年前寝たきりになり同居、その時母親が加入していた生命保険を「本人は払えない」からと契約内容を変更したそうです。当時の資料がなく生命保険会社に契約内容を確認、被保険者は母親のままで支払者を母親からAさんに、受取人を弟のBさんからAさんに変更されていました。
死亡保険金の場合、①支払者と受取人が同一の場合は、受取人の一時所得として所得税がかかります。また、②支払者と被保険者が同一で、受取人が相続人の場合は相続税が課せられます。③支払者、被保険者、受取人がすべて別々であれば贈与税が課せられることになります。
今回のケースは死亡保険金を受け取った時点は、税務署のいうとおり①にあたりますが、契約変更前は②になります。途中で契約変更がある場合は、その契約ごとに課税関係が決まります。その結果、保険金を①と②の期間で按分し、それぞれに税金を求めます。Aさんの場合、大半が②の期間にあたり、相続税の基礎控除5000万円以下ですから非課税、①の期間は数年で、計算すると一時所得の所得税は6万円でした。
Aさんは税務署に対して以上の説明と保険会社からの書類を修正申告書に添付しました。その結果、追加の納税額は120万円ではなく6万円ですみました。
10万円以下でも所得税の医療費控除
今年の確定申告で多かった医療費控除ですが、毎年「医療費控除って10万円以上領収書がないとアカンやろ」と言われる方がおられます。しかし、実際は 「支払った医療費」-「所得×5%と10万円のどちらか少ない方」 なので例えば100万円の所得の方であれば100万×5%=5万円となり、医療費が5万円を超えたが額が医療費控除の対象となります。また、生計が一緒であれば全員分を合計できますし、カゼなどの医薬品であれば個人で薬局で買ったものでも構いません。紙オムツや介護用品、介護費用などについては若干の制限はあります。また高額療養費などの請求で戻ってきた分は差し引かれます。
いずれにしろ領収書が必要ですので、今まで「10万円も医療費使わへんわ」と言って領収書をすぐ捨てていた方は今からでも遅くありませんので集めておいて下さい。年末になって意外と多い医療費にビックリするかも。来年度は各種控除が廃止となり増税となります。節税のためにも、また家計の把握や経費の計算のためにも領収書をとっておく習慣を身につけましょう。
給与と外注費
建設業を営むAさんが税務調査を受けました。調査の焦点は外注費として計上している職人への支払です。税務署側は①A社としか取引がなく関係が固定されている、②支払が日給、という理由から「給与ではないか」と、源泉所得税の徴収と消費税の仕入税額控除の否認を要求してきました。Aさんは、①仕事の道具が自分持ち、②出退勤は自由、などを理由に外注費であることを主張しました。
通常、給与か外注費かの判定は、①他社の仕事も請け負っている、②仕事の指揮命令権が自社にはない、③仕事場は自社以外(出退勤は自由)、④仕事に使う材料・道具等は向こうもち、⑤成果物に対して報酬を支払う条件にしている、⑤支払いが月額一定ではなく、賞与はない、⑥個人事業者として確定申告をしている、などです。
Aさんの調査の結果は、職人が確定申告をしていることがわかり、外注費ということで決着しました。しかし、仕入税額控除の観点から外注費が問題になるケースが多くなることが想定されます。該当する方は充分注意しましょう。
使用貸借による土地の借り受け
Q.次男が家を建てたいというので、私名義の土地を地代を取らずに貸そうと思っています。ただし固定資産税は次男が負担します。贈与税の心配はいりませんか。
A.土地を借りるときは地代や権利金を授受するのが通常ですが、当事者が親と子といったような場合には、権利金はもちろんのこと、地代も受けとらないことが多くあります。このような無償による土地の賃貸のことを「土地の使用貸借」といいます。
使用貸借による土地の使用権は、地代を取る賃貸借契約に基づく借地権と異なって、その権利は評価はゼロとなり、借受人に対する贈与税はかかりません。また、そのことについての手続きも必要としません。
ご質問の場合は、固定資産税を借主が負担されるそうですが、この程度では、地主にとって何の経済的メリットもありませんので、使用貸借の範囲に含まれ、贈与税の心配はいりません。
なお、借主にとって、使用権が評価されないということは、原則として、地主にとっては、将来相続のときに更地(地上に建築物がない土地)として評価されるということになります。
離婚による財産分与に税金はかかりますか?
Q.私は15年前に結婚しましたが、このたび協議離婚することになり、現在住んでいる住宅(土地建物)を妻に渡すことになりました。住宅は12年前に3千万円で購入し、現在時価は4千万円程度です。共働きではなかったため、住宅は私の名義になっています。税金面での心配はいりませんか。
A.離婚にともなう財産の分与については、財産分与を受けた方と、財産を分与した方がいらっしゃるわけですから、それぞれについての課税関係を説明しましょう。
1.財産分与を受けた方(非課税)
離婚にともなう「財産分与」とは、協議上の離婚をした人の一方が、相手方に対して財産を請求することをいいますが、これは婚姻中に築き上げた夫婦間の財産の清算ということになりますので、贈与を受けたことにはなりませ ん。また慰謝料は、損害賠償金としての性格から所得税法上、非課税とされています。したがって、財産の分与や慰謝料を受けとっても税金はかかりません。
ただし、次のような場合には、贈与があったものとして贈与税が課税されますのでご注意下さい。
(1)分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額、その他一切の事情考慮してもなお過大であるときは、その過大な部分に贈与税がかかります。
(2)贈与税や相続税を免れるために離婚を偽装したときは、その分与された財産全部に贈与税がかかります。
ご質問の場合は、通常的な財産の分与と思われますので税金はかからないでしょう。
2.財産を分与した方
金銭だけで財産を分与した場合には、税金はかかりませんが、ご質問のように、分与した財産が家や土地といった不動産であれば、その資産の時価で資産の譲渡があったものとみなされて、それによって計算上譲渡益が出るよ うであれば、その譲渡所得に所得税と住民税がかかります。
これは一見不合理のように思われますが、不動産を現物で財産分与すると、分与額は不動産の時価と考えて、税法上は「夫が妻に対して不動産を売って現金を渡したことと同じ」と考えるからです。
いったん財産分与として不動産を引き渡してから、課税されることに気づいても、対処のしようがありません。不動産による財産分与される場合には、くれぐれも課税問題を念頭に置きながら対処してください。
ご質問の場合は、特別控除を引く前の段階で譲渡所得が発生します。ただしこの場合には、財産分与が離婚が成立した後になされたものですから、特殊関係者である配偶者に対する譲渡にはなりませんので、他の要件を満 たしている限り、居住用財産の譲渡所得の特例である3千万円の特別控除が適用され、譲渡所得に対する課税は生じません。
ワンポイントアドバイス
(1)正式な離婚前に財産分与したときは、未だ配偶者という特別の関係にある人に対して譲渡したことになりますから3千万円の特別控除が受けられない危険性があります。ご注意下さい。
(2)分与した財産が不動産以外のものであっても、例えば次のようなものはその時価で譲渡があったものとして、譲渡所得の課税関係が生じます。
1.株式、ゴルフ会員権、著作権などの権利
2.時価30万円を超える宝石類や書画、骨董
(3)財産分与を受けた方に対する不動産取得税は、一定の範囲で免除される場合があります(都道府県によって違いがある)。
自宅を売却して損失がでたとき
Q.自宅を売却する予定ですが、地価値下がりのため損失が発生します。税金はどのようになるのでしょうか?
A.自宅を売却して損失が発生した場合で、一定の要件を満たす場合には、損益通産と3年間の繰越控除が認められ、損失を他の所得と通算することができます。なおこの規定は、平成16年改正によって大幅に見直された ため、その前後で規定の内容が異なっています。
1.平成15年までの規定
譲渡した自宅について住宅ローンが残っており、かつ、新に住宅ローンを組んで住宅を買い替えることが要件とされていました。
具体的には、次にようになります。
(1)譲渡した年の1月1日における所有期間が5年を超えること。
(2)第三者に対する譲渡であり、特別関係社に対する譲渡でないこと。
(3)譲渡契約の前日において住宅ローンが残っていたこと(その前に買い替え資産を取得していた場合には、譲渡契約を行った月の6ヶ月前の月の最初の日において住宅ローンが残っていたこと)。
(4)譲渡した年の前年の1月1日から、譲渡した翌年の12月31日までの間に、住宅ローンを利用して、買い換え資産として自宅を取得すること。
(5)買い換え資産は、贈与や代物弁済によって取得したものでないこと。
(6)買い換え資産を取得した年の12月31日までに、その買い換え資産に自宅として居住すること。
(7)譲渡した年の前年または前々年において、居住用の3000万円控除など、居住用財産の譲渡に関する特例を利用したことがないこと。
(8)譲渡損失が生じた年の前年以前に、他の居住用財産の譲渡損失について、この繰越控除の特例を受けていないこと。
※譲渡した土地面積500m2までの部分に限って、特例を受けることができます。
2.平成16年からの規定
(1)自宅を買い換える場合
自宅を買い換える場合には、譲渡資産について、住宅ローンを有していることの要件が外されました。
(2)自宅を買い換えない場合で、住宅ローンが残っていた場合
従来の規定は、自宅を買い換えることが要件とされていましたが、買い換えない場合でも、譲渡契約の前日において、住宅ローンが残っていた場合には、損益通算と繰越控除が認められることになりました。ただし、前述(1) の場合と異なり譲渡損失の全額ではなく、住宅ローンの残高が譲渡価格を超える部分に限られます。
住宅の売却にともなう3000万円特別控除
Q.現在居住している土地つき住宅を売却します。 居住用財産を売ったときの譲渡所得に対して、3000万円の特別控除があるそうですがポイントを説明して下さい。
A.自分が住んでいる家屋や家屋と敷地(居住用財産)をいっしょに売った場合には、譲渡益から最高3000万円までの特別控除が受けられます。
計算式は以下のとおりとなります。
譲渡価格-取得費-譲渡費用=譲渡益
譲渡益-3000万円(特別控除)=長期または短期譲渡所得
なお、取得費のうち家屋部分は、経過年数と共に減価しますから、購入価格より少なくなります。お尋ねの3000万円特別控除の適用を受けるためには、次のすべての要件を満たしていなければなりません。
(1)現に居住している家屋またはその家屋と敷地の譲渡(土地だけは対象外)。
(2)配偶者、直径家族、生計を一にしている親族など、特別な関係を有する者に対する譲渡でないこと。
(3)自分が住まなくなった日から3年目の12月31日までに譲渡したこと。
(4)前年または前々年にこの3000万円特別控除を受けていないこと。(この特例は3年に一回だけ適用できます)
(5)本年、前年、前々年に「居住用財産の買い替えの特例」(3000万円特別控除と選択適用)を受けていないこと。
(6)この特別控除により、税金がかからなくなる場合でも譲渡所得計算明細書(除票)の写しを添えて、翌年3月15日までに確定申告すること。
ワンポイントアドバイス
(1)この特例を受けた場合は住宅ローン控除の適用を受けられません。
(2)夫婦共有の場合は、二人とも別々に特別控除が受けられます。
(3)家屋と敷地の所有者が異なるときでも、親族関係にあり、共にその家屋に居住して一緒に生計している場合は、その家屋の譲渡所得金額が3000万円未満であるときにはその満たない金額について土地所有者の譲渡 所得金額からも控除することができます。
(4)転勤など、特別な事情で別居しており、その原因がなくなれば、通常その家に戻って生活すると認められ、その間、家族がその家に住んでいる場合は、この別控除が使えます。
住宅ローン控除
Q.私は、今年3000万円の住宅ローンを借りて住宅を購入しましたが「住宅ローン控除の申告をすれば税金が戻ってくる」と聞きました。どのようなことでしょうか。
A.住宅ローン控除制度は、住宅ローンを組んで住宅を新築したり、新築住宅あるいは中古住宅を購入したとき、または既存の住宅について増築・改築を行ったとき、その年末現在の住宅ローン残高に応じた控除額を所得額から控除できる制度です。
1.この制度概要
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| 新住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額の特例 上記の制度との選択可能 |
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適用範囲
(1)所得要件: 3,000万円以下
(2)借入金等:償還期間10年以上(バリアフリー等は5年以上)
(2)新築・取得する住宅の床面積要件: 50㎡以上
(3)入居要件: 工事完了又は住宅の取得から6ヶ月以内に入居
(4)中古住宅を取得する場合:(ⅰ)又は(ⅱ)を満たすもの
(ⅰ)耐火建築物築25年以内、木造等築20年以内
(ⅱ)新耐震基準を満たすことが建築士等により証明されたもの
(5)増改築等工事の要件:工事費100万円超及び増改築工事後の床面積が50㎡以上となる工事
(耐震改修工事を含む)
(一定のバリアフリー改修工事を含む。ただし、H19.4.1以後に自己の居住の用に供する場合)
(一定の省エネ改修工事を含む。ただし、H20.4.1以後に自己の居住の用に供する場合)
(6)譲渡損失の繰越控除との併用可
(7)住宅ローン減税の適用を受けていた者が、転勤等やむを得ない事情により一時転出し、その後再び入居した場合についても、再適用が可能
贈与税
Q.今年の秋口から300万円、叔父から90万円の現金の贈与を受けました。贈与税はいくらになりますか?
A.
1.贈与とは贈与する人が「自己の財産を無料で与え」財産をもらう人が「もらう」という意思表示を共にすれば贈与の契約成立します。与える、もらうという意思の合致がなければなりません。これが「諾成契約」です。口頭であっても意思合致があれば成立します。
2.贈与税とはある人が、別の人から財産を贈与されたときに、贈られた額に見合って、一年毎に課せられる税金が「贈与税」です。
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
| ~ 200万円以下 | 10% | - |
| 200万円超~ 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 300万円超~ 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 400万円超~ 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 600万円超~1000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1000万円超~ | 50% | 225万円 |
ご質問の場合の贈与税額は以下の計算の通りとなります。
贈与税額=1年間の贈与を受けた財産の合計額-基礎控除(110万円)×贈与税率-控除額
基礎控除後の課税価格(300万円+90万円)-110万円=280万円
贈与税額 280万円×15%-10万円 =32万円
3.贈与税がかからないもの
(1)法人から贈与を受けた財産(一時所得になります)。
(2)扶養義務者の間で贈与を受けた生活費や教育費。
(3)心身障害者共済制度に基づく給付金を受ける権利。
(4)選挙費用に関して受ける寄付金で、公職選挙法に従って報告されたもの。
(5)香典、花輪代、中元歳暮の贈答品、祝物、見舞いのための金品で社会的に妥当な範囲内の額。
4.みなし贈与
(1)負担付贈与
親が子に借金をつけて、例えば住宅ローンの残債務をつけた居宅を贈与(受贈者に債務を負担させて財産の贈与を行う)すること。
(2)低額譲渡
親が子に、時価に比して非常に低い価格で土地等の財産を譲渡した場合、その財産の価格と実際に支払った金額の差額(低額での譲り受けによる利益)について贈与があったものとみなされる。
(3)満期保険金の受取人が保険料を負担していないとき
保険掛金を負担しないで満期保険金等を受け取った場合、例えば、夫が支払って妻が満期保険金を受け取るとその保険金は保険料支払者からの贈与となり、受取金の金額に贈与税がかかります。
5.申告と納税
●贈与のあったと年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告します。
●その年に贈与された財産の合計額が110万円(基礎控除)を超える人は申告書を提出します。
●贈与税は一括して現金納付するのが原則です。
一度に多額の贈与税を納めることができない場合には、利子税がかかりますが、申請により延納(分割払い)が認められています。
相続税のしくみ
Q.私の財産は、私名義の一戸建住宅(時価で宅地の値段は1億円、建物4000万円ぐらい)と、生命保険3000万円、預金が2500万円ですが、私にもしものことがあった場合、妻や子にどれくらい相続税かかるので しょうか。私には、妻と成人している子どもが3人います。なお、自宅の敷地面積は200m2、家屋の固定資産税評価額は2000万円です。
A.「相続税が払えずに土地を処分した」という話をよく聞きますが、「親などから財産を相続した人すべてが、相続税を払わなければならない」ということはありません。賞味の遺産額が基礎控除額以下なら相続税を払う必要は ありませんし、実際に相続が発生したうちの約95%の人については、総属性は課税されていません。
1.遺産にかかる基礎控除額は次のようにして求めます。
あなたの場合は、法定相続人は4人ですから、基礎控除額については9000万円になり、正味の遺産額がこれ以下であれば相続税はかかりません。相続税の申告の必要もありません。
5000万円 + (1000万円 × 法定相続人数)= 基礎控除額
ただし小規模宅地の特例を受ける場合には、申告期限までに当該土地の遺産分割が確定していること及び申告書を期限内に提出していることが必要です。ここでいう正味の遺産額とは相続財産のすべてではなく、下の計算 により算出した額をいいます
。
遺産総額 - 借入金などの債務、葬式費用、非課税財産 = 正味の遺産額
2.申告書の提出時期と提出先
相続の開始のあったことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10ヵ月以内に被相続人の死亡当時の住所地の税務署に提出します。
3.税金の納付時期
申告時に納付します。
4.では、あたなの正味の遺産額を計算してみましょう。
土地の評価は路線価(通常は公示価格の80%)で評価し、特定居住用宅地については、240m2までの部分について80%(小規模宅地等の課税価格の特例)が減額されます。
土地の路線価
8000万円(路線価として) × (1-0.8) = 1600万円
建物の評価額
家の評価額 = 固定資産税評価額(通常時価の50%程度) = 2000万円
生面保険の評価額
3000万円 - (4人法定相続人 × 500万円) = 1000万円
預金
{(残高 + 既経過利子(20%源泉税控除後)} = 2600万円
合計 7200万円
以上の計算であなたの「正味遺産額」は7200万円となり、9千万円の基礎控除より遺産額が少ないので、あなたの場合は相続税はかかりません。
ワンポイントアドバイス
(1)遺産については、財産の種類によって、評価方法が決められます。
(2)「借入金などの債務」には分割払いの未納固定資産税や被相続人が遺した債務で納付すべき所得税など、各所の税金も含まれます。
(3)「葬儀費用」にはお通夜の費用は含まれますが、法事費用、香典返し使用は含まれません。
(4)次のような財産は「非課税財産」となります。(A)仏壇・仏具(墓石)、(B)国や地方公共団体などに寄付した財産、(C)心身障害者共済制度に基づく年金受給権、(D)一定額の死亡保険金と死亡退職金(いずれも 法定相続人×500万円)。
使用貸借による土地の借り受け
Q.次男が家を建てたいというので、私名義の土地を地代を取らずに貸そうと思っています。ただし、固定資産税は次男が負担します。贈与税の心配はいりませんか。
A.土地を借りるときは地代や権利金を授受するのが通常ですが、当事者が親と子といったような場合には、権利金はもちろんのこと、地代も受け取らない場合が多くあります。
このような無償による土地の賃貸のことを「土地の使用貸借」といいます。
使用貸借によると土地の使用権は、地代を取る賃貸借契約に基づく借地権と異なって、その権利の評価はゼロとなり、借受人に対する贈与税はかかりません。またそのことについての手続きも必要としません。
ご質問の場合は、固定資産税を借主が負担されるそうですが、この程度では、地主にとってなんの経済的メリットもありませんので、使用貸借の範囲に含まれ、贈与税の心配はいりません。
なお借主にとって使用権が評価されないということは、原則として、地主にとっては将来相続のときに更地(地上に物件がない土地)として評価されるということになります。
税が軽くなる親から子への住宅資金贈与
Q.私は住宅を購入する予定ですが、父親から1500万円を購入資金の一部として援助してもらうことにしています。親からの住宅資金の援助については、「相続時精算課税制度」をつかえば税金をはらわなくてよいと聞いていますが、どのようなこ とでしょう?
A.父母からマイホーム建設のための資金援助を受けた場合、年齢や家屋が一定の条件にあてはまれば贈与税はかかりません。
贈与税(相続税)の相続時精算課税制度は、贈与をうける人が贈与時に贈与税を支払い、その後の相続時にその贈与財産と相続財産を合計した価格をもとにして相続税を計算する、そして相続税からすでに支払った贈与税を控除するという制度です。贈与税、相続税を一体化するというのが、相続時精算課税制度の概要です。これにより2,500万円(住宅取得資金の場合3,500万円)までは、非課税となります。ただし、相続時に贈与した分を含めて相続税で精算することになります。条件などは以下のとおりです。
イ:親の年齢が65歳未満でも受けられます。ただし受け取る子供は20歳以上。
ロ:非課税枠が1000万円上乗せされ3500万円となります。
ハ:床面積が50㎡以上。木造20年以内。耐火建物25年以内。
ニ:居住用が2分の1以上。
子の借金を親が弁済した場合
Q.お恥ずかしい話ですが、35歳になる息子が消費者金融やクレジットなどで、約2千万円の借金をしていました。厳しい取り立てに困って父親の私が土地を売却して返済しました。
息子には財産はありません。この場合、贈与税はかかるのでしょうか。
A.父親が息子の債務を代わって弁済した、その弁済相当額は原則として息子に対する贈与となりますが、この場合、息子さんの資力が問題になります。
税法では「債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その債務者の扶養義務者によってその債務の全部または一部の弁済がなされた時は、その弁済された金銭について贈与がなかったものと する」と規定されています。
この場合の「資力を喪失して」とは、不動産や有価証券などの所有財産があれば、まずそれを換価して、なお借金が残る場合で、返済不可能な状態をいいます。
ここでいう「扶養義務者」とは、配偶者、両親や子供のような直径血族、兄弟姉妹および生計を一にする三親等以内の親族をいいます。
ご質問のケースでは、息子さんは「債務者が資力喪失して債務を弁済することが困難」にあたり、あなたも息子さんの「扶養義務者」に該当すると思われますので、贈与税の心配はいりません。
ただ、あなたが売却した土地の代金に対しては、それが息子さんの弁済資金に充当した場合でも、あなたは保証人としての立場で代位弁済したのではありませんから、その譲渡益について、譲渡所得として所得税の課税対 象になりますので、納税資金も準備してください。
生命保険金を受け取ったときの税金は
Q.満期保険金500万円の生命保険が来年9月に満期となります。掛け金は私が支払い、満期保険金と死亡保険金の受取人は妻になっています。この場合、税金が高くなると聞きましたが、どのようになっているので しょうか。
A.生命保険金を受け取ったときの課税関係はそれぞれのケースによって違ってきます。一般的なパターンに分けて説明しますと、別図のようになります。
| 保険金の種類 |
契約例 | 課税形態 | ||
| 掛金の負担者 | 被保険者 | 受取人 | ||
| 満期保険金 生存給付金 |
夫(契約者) | だれでも | 夫 |
所得税 |
| 夫以外 | 贈与税 | |||
| 死亡保険金 死亡給付金 死亡一時金 |
夫 | 夫以外 | 相続税 | |
| 妻(子) | 夫 | 所得税 | ||
| 子(妻) | 贈与税 | |||
満期による年金 |
だれでも | 夫 | 毎年受け取る年金に所得税 | |
| 夫以外 | 年金開始の際・・・贈与税 毎年受け取る年金に所得税 |
|||
| 死亡による年金 | 夫 | 夫以外 | 夫の死亡時・・・相続税 毎年受け取る年金に所得税 |
|
| 妻(子) | 夫 | 毎年受け取る年金に所得税 | ||
| 子(妻) | 年金開始の際・・・贈与税 毎年受け取る年金に所得税 |
|||
1.満期保険金を受け取ったとき
(1)受取人以外の人が掛金を負担していた場合(贈与税)
期保険金相当額-110万円(贈与税の基礎控除)=贈与税の課税対象
(2)受取人が掛金を負担している場合(所得税)
{(受取保険金-支払掛金総額)+他の一時所得の金額-50万円}×1/2=総合課税の対象
2.死亡保険金を受け取ったとき
(1)死亡した人が掛金を負担していた場合(相続税)
相続人(相続放棄した人は含まない)が受取人である場合には、法定相続人(相続放棄した人を含む)の数に500万円を乗じた金額まで非課税となります。
(2)受取人が掛金を負担していた場合(所得税)
{(受取保険金-支払掛金総額)+他の一時所得の金額-50万円}×1/2=総合課税の対象
(3)(1)、(2)以外の人が掛金を負担していた場合(贈与税)
死亡保険金-110万円(贈与税の基礎控除)=贈与税の課税対象
ご質問の場合だと、満期保険金500万円に配当金が100万円ついて合計600万円とすれば、1.(1)に該当し、(600万円-110万円)×35%-70万円となり101.5万円の贈与税がかかります。
もし満期の受取人があなたの場合だと、仮に今まで支払った掛金の総額が400万円贈与収入が500万円(総額)、所得控除が合計で250万円とすれば、約9万円強の負担(所得税と住民税)ですみます。
ワンポイントアドバイス
生面保険金の課税関係は、受取人によって税金の額が大きく変わります。保険の満期が来るまでに、よく考えて受取人の名義を変更することもよいのではないでしょうか。
親子間でのお金の貸し借り
Q.今度、息子が住宅を購入することになり、わたしがその資金の一部を貸すことになりました。友人の話では、親族間の貸し借りは「贈与」とみなされ、贈与税が課税されると聞きました。どのようにすれば、税務署に金銭 貸借を認めてもらい、贈与税が課税されなくて済むでしょうか?
A.
(1)形式だけの借用契約はダメ
親子・夫婦などの親族間のお金の貸し借りだからといって、すべて贈与とみなされるものではありません。しかし実際に返すつもりのないようなものは、例え借用書があっても贈与と認定され、贈与税が課せられるケースがあります。
親子間などの金銭貸借には、税務署の調査もかなり厳しいようです。とくに次のような場合には、その実質、実態から判断して贈与税と認定されます。
①借りた子に返済する意思がなく、親も返してもらうつもりのないもの。
②返済の意思があっても、子に返済能力がないもの。
③返済期間が異常に長いもの。
(2)実態が伴った借入契約であること
本当の借入金であれば、次のようにして、お金の貸し借りがあったことの証拠を残しておけばよいでしょう。
①子の返済能力の範囲内の借入金額とする。
②借用証書(公正証書にする必要はありません。私書証書で十分ですが、念のために、公証人役場で確定日付をとっておけば、税 務署の調査があって慌てて作ったものでないことを裏付けることができます)を作って、お金 の貸し借りがあったことをあきらかにしておくこと。
③銀行口座への振込みなどで返済の証拠を残しておくこと。
④返済期限(期日)や返済方法をはっきり定めておき、約束どおりの返済をしていくこと。
なお、返済期限は常識的な範囲にしましょう。また返済金の振込みは特に毎月でなくても、契約で半年賦にしてもかまいません。
⑤金利がゼロ=贈与というわけではありせん。民法上は金利をとらなくても借用契約は有効です。しかし、税務署などにつっこまれないように利息の支払いに関する取り決めをしておく(住宅金融公庫程度の金利を決めておけばよい)方がよいでしょう。なお、貸した側は、受取利息を雑所得として申告することになります。
以上のとおりですが、要は、取り決めた返済の期限に約束どおりに、実際に返済を続けることが必要です。
よく言われる「出世払い」や、「あるとき払いの催促なし」などは、贈与とみなされる可能性があります。また1~2年だけ返済を続けて後は返さないでいると、調査などで贈与と認定される場合もありますのでご注意ください。
共働きの夫婦が住宅を購入したときは
Q.共働きの夫婦です。この度4千万円で分譲マンションを購入し、夫名義で登記する準備をしていましたが、「そんなことをすると税金をとられるよ」との忠告を受けました。どうしたらいいのでしょうか?
購入資金は、自己資金1千万円(夫・妻とも5百万円)と3千万円の借入金を予定しています。私たちの昨年の給与所得は、夫5百万円、妻3百万円です。私たちは今後も共働きの予定です。
A.
(1)出資割合と異なる登記をすると贈与税がかかる
不動産の所有名義は、資金の出資割合でもって登記するのが原則です。民法では、夫婦がそれぞれ結婚前から持っていた財産と、結婚してからご自分の名義で得た財産は、それぞれの固有財産とされます(これを夫婦別 産制といいます)。したがってご心配のように、どちらかの単独名義にしますと、本来の出資分について相手より名義人への贈与となり、贈与税が課税される場合があります。
(2)二人の実際の出資割合(負担割合)で共有登記すれば贈与税はかからない
贈与税がかからないようにするには、二人の出資割合の持分での共有登記をすればよいわけです。この場合の出資割合は、自己資金の出資額と借入金の返済負担割合で計算します。
(3)共働き夫婦の収入で購入された場合は、借入金の負担割合を明確に
借入金の負担割合については、それぞれの所得から実際に返済できる範囲で明確に区分し、返済事実が証明できるようにしておきましょう(必ずしも所得割合でなくてもかまいません)。
仮に住宅ローンを夫婦どちらか一方だけで組み、共働き夫婦の収入によって共同で返済している(ドンブリ勘定)場合、贈与税のうえでは、夫婦それぞれの所得比により、按分計算でローンを返済しているものとして扱われま す。もしそれが持分割合と違う場合には、その差額がその年の返済金の贈与があったものとみなされ、面倒なことになります。
(4)ローンの借入名義人について
①夫婦それぞれが別々の借入をした場合
各人の債務額と返済額が明確ですから、共働き続く限り、それぞれの返済能力に応じて返済していくので、贈与の問題は発生しません。また住宅ローン控除もそれぞれ受けることがきるメリットがあります。ただし、登記費用の 若干の負担増や、手続きの煩雑さは覚悟しなければなりません。
②連帯債務で借り入れた場合
金融機関は、借入の資格要件などの問題から、一本での融資を要求する場合も多いと思われます。この場合実際の返済金は主債務者の口座から全体の返済金が引き落とされますから、各々の債務額や負担割合が明 確になりませんので、他方の債務者の口座からの返済の証拠を残す必要があります。連帯債務の場合も住宅ローン控除の適用をそれぞれ受けることができます。
③いずれか一方を借入名義とし、一方を連帯保証人とする場合
3で説明したような問題が1番発生しやすい借入の形です。また、連帯保証人の場合は、住宅ローン控除の適用は受けられません。できれば1または2の借入形態をお勧めします。金融機関との交渉の中で、どうしても3の 借入れしかできないときには、2の場合と同様に、連帯保証人の返済負担の証拠を明確にしておきましょう。
個人事業税―不動産貸付業の場合は?
府(県)税事務所から、「不動産の賃貸状況についてのお尋ね」が届いたが、どういうことなのかという相談がありました。
これは、アパートやマンションなど共同住宅を貸し付けている場合、「不動産貸付業」としての個人事業税対象基準については、居住の用に供するために独立的に区画された部屋の数が10以上のものとされていました。ただし 経過措置として小規模貸家業者については、昭和57年度から平成12年度分までは15以上のものを認定基準としていましたが、平成13年度分(平成12年分所得)からこの経過措置が廃止され10以上のものを貸し付けて いる場合、「不動産貸付業」と認定され個人事業税の課税対象となります。相談者の場合平成13年度分は、10以上ありますので認定基準になります。
他に、貸付総面積が600㎡以上で、かつ当該建物の貸付に係わる賃貸料収入金額が年1000万円以上である場合認定基準になります。
また、建築物でない駐車場(青空駐車場)を貸し付けている場合、収容可能台数10台以上から認定基準となります。













