2012年経済展望


景気は良くなるか?予測は難しいが…

 景気は良くなって欲しいと願望しても、今や世界とのつながり抜きには一国の経済を語れなくなっています。 最大の懸念は、欧州の金融財政危機、ソブリンリスクと言われるものです。欧州では景気は停滞しています。リーマンショックを乗り越えて回復軌道に乗ってきたと思われたそのときに、金融危機が起こり世界の景気の先行きに不透明感が高まっています。流れとしては、世界の景気の停滞、米国の雇用・住宅不況、新興国の輸出減による景気の下降、資本流失、通貨安など、日本にとっては頼みの綱の新興国が景気減速となれば先行き悲観的となるのもやむを得ないことでしょう。

景気の本当の処方箋は内需を拡大する成長戦略

 日本の景気は、大震災により 2011年度はマイナス成長、2012年度は、米国、新興国も持ち直し、また、復興需要が後押しし、若干のプラス成長になるだろうと言われています。
 ただし中小企業にとっては別問題。グローバル企業だけが栄え、中小企業・零細業者が廃れて行くでは日本経済は沈没してしまう。長く需要が低迷している上に、少子高齢化、デフレ・低価格化により、国内市場は縮小していくから内需拡大など無理だ、と言ってしまえばそれまで。輸出に頼らない国内需要の喚起が望まれます。そのためには、新しい産業、国内で伸びていくべき産業を育てる成長戦略が必要です。
 それと同時に、需要の源である家計所得・雇用の安定は不可欠です。しかし、年収が200万前後の若者が半数近くになっており、若者の失業率が10%近くあるとなると、現在の需要ばかりでなく将来の需要も不安定になります。景気が思わしくなく業績が悪いから賃金抑制に走り、なお一層雇用が削減され、賃金が下がり、内需を冷え込ませるという悪循環を断ち切ることが求められています。雇用の改善について、一企業では解決できない問題なので国の制度的な保証が必要ではないでしょうか。

消費税増税が正念場

 3月中に成立を期すかまえ野田首相は、12月中に消費税増税法案の成案を発表。年度内成立に向けしゃにむに走ろうとしています。しかし、民主党内にも反対・慎重論が台頭。世論調査でも、社会保障の充実のための消費税増税に賛成か、反対かを問うた調査でも消費税増税反対が賛成を上回っています。震災や、国の財政難で税金が必要とわかっ ていても、なぜ反対派が優勢なのか。(最近まで賛成派が優勢だった)政権に対して、国に対して信用がおけないと国民が感じているからではないか。民主党が「消費税は社会保障財源に充てる」と言っても、「国に入ったカネに印はない」わけで、カネを吸い上げ るだけで国民のためには使わないのでは、という不信が背景にあると思われます。

(2012年1月)