だれでもできる「パソコン会計」 (1)
(青色・個人編)
1.確定申告とは
所得税の確定申告とは1年間の個人の所得を計算し、税務署に申告・納税することをいいます。確定申告には「青色」と「白色」の2種類があります。簡単にいえば、「青色」=「帳面がある程度きっちりしていて、少なくとも収支を税務署に報告できる」、「白色」=「どちらかといえばドンブリ勘定で、収支は税務署に報告しない」ということができます。では「青色」「白色」どちらの方がよいのでしょうか、これは一概にはいえません。青色申告は「青色専従者控除」「減価償却の特別償却」「欠損金の繰越」「青色申告控除」など「白色」にない特典がいくつかあり、納税額で有利といえます。その反面「記帳に手間がかかる」「税務調査などで間違いを指摘されやすい」というデメリットもあります。
2.記帳が事業と権利を守る
「青色」「白色」どちらを選ぶにせよ、自主的に記帳をおこなうことは大切です。自分の事業がもうかっているのか、そうでないのか。損益計算書や貸借対照表をみれば、自分の商売の強みや弱点が一目瞭然です。不況で困難な状況のなか、事業を守り発展させるためには数字にもとづいた的確な経営判断が必要です。また、税務調査などで当局が不当な課税を押しつけてきた場合でも、記帳がしっかりしていればそれをはね返し、納税者の権利を守ることができます。さらに最近では、融資の時に金融機関から試算表等を求められるケースが増えています。
3.確定申告のながれ
| 帳簿つけの準備 帳簿(パソコン・ソフト)の用意、 残高確認 |
⇒ | 日常の記帳 取引の記録 、試算表作成 |
⇒ | 決算と申告準備 帳端、減価償却、決算書作成 |
⇒ | 確定申告 申告書作成、申告 |
4.パソコン記帳のメリット
パソコンで記帳すればほぼ自動的に試算表、決算書の作成までできるので、元帳への転記など複雑な経理上の専門知識は必要ありません。また手作業に比べて計算作業が不要ですので、その分計算ミスがなくなり、大幅に作業の短縮をはかることができます。さらに訂正や追加も手書きに比べて、ずいぶんと楽です。気づいた時点で修正すれば、関連する帳簿の数字が書き換えられます。改めて計算し直す必要はありません。またバラバラの日付で入力しても、自動的に日付順に並べ替えてくれます。つまり手元にある領収書などの伝票をどんどん入力していけばよいのです。
5.経営資料がすぐできる
「商売のことはすべて頭の中にある」という経営者がいます。それはそれで感心しますが、そういうやり方だけで現在の荒波を乗り切っていけるでしょうか。やはり科学的な分析、つまり数字に裏付けされた経営分析が必要なケースがでてきます。適切な設備投資をするためには、利益の状況や推移を考えないといけませんし、単価の設定には、原価計算を正確にする必要があります。パソコンの会計ソフトをつかえば、試算表などの経営資料が簡単に手に入ります。また、会計ソフトの中には損益分岐点などの分析処理ができるものもあります。
6.安いパソコンと安い会計ソフトで充分
パソコンで会計・記帳をしようとする場合、最新の高いパソコンは必要ありません。パソコンの値段は、CPU(計算)の処理速度、ハードデスク(記憶)の容量、グラフィックス(画像処理)の性能などに左右されます。しかし、会計の場合、現在市販されているパソコンの最低価格帯のもので充分なのです。すでに古いパソコンをもっている場合も、3,4年ぐらいでしたら楽勝です。
会計ソフトも、価格でいえば数千円から数十万円まで非常に多くの商品があります。しかし、どれも基本的な部分、たとえば複式簿記が使える、決算書が出力できるという点はおなじです。ですから、「高ければよかろう」と無理して高額なソフトを買う必要はありません。そういう高額なソフトは多機能で会計事務所なら必要ですが、普段の記帳にはまず必要ありません。
資料 青色申告の主な特典
(1)青色申告特別控除
不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者で、これらの所得の金額に係る取引を正規の簿記の原則、一般的には複式簿記により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表を損益計算書とともに確定申告書に添付して確定申告期限内に提出している場合には、原則としてこれらの所得を通じて最高65万円を控除することを認めるというものです。
また、簡易な簿記の方法で記帳し、損益計算書を確定申告書に添付した場合には、最高10万円を控除できます。
(2)青色事業専従者給与
青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費として認めるというものです。
なお、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。
(3)貸倒引当金
事業から生じた売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費として認めるというものです。ただし、金融業の場合は3.3%になります。
(4)純損失の繰越しと繰戻し
事業所得などが赤字になり、純損失が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって、各年分の所得から差し引くことができるというものです。また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて損失額を前年の所得から差し引き、前年分の所得税の還付を受けることもできます。















